Taku Takahashi インタビュー
☆Taku Takahashi インタビュー

ウェブラジオ『TCY RADIO TOKYO』をスタートした Taku Takahashi さんにインタビュー



m-flo としてもお馴染み、DJ Taku Takahashi さんのソロ活動やリミックスワーク、そして今回新たにスタートしたウェブラジオ『TCY RADIO TOKYO』について語って頂きました。

■ 今回のインタビューは、Taku Takahashi と Verbal の m-flo についてではなく「Taku Takahashi」という一アーティストへのインタビューなのですが、とは言え一つだけ m-flo についての質問をさせて頂きたいと思います。m-flo の10周年という記念すべき年を昨年迎えられた訳ですが、昨年は音楽制作、ライブイベント等いかがでしたか?

m-flo の最初の目標は、僕らの好きなダンスミュージックをどうやったら日本のナショナルチャートでも、もっとかかるようにできるかでした。どれくらいそれが達成されたかはわかりませんが、10周年ということでいろいろなことを振り返ることができた年だったと思います。うまく変えられていった部分とまだまだ足りないなってところがあるんだけど。というか、むしろもっと変わってもらいたいというのが本音です。

ライブは今までの作品をすべて自分が旬だと思うサウンドに再構築して、よりフロアライクなサウンドを出すように心がけました。サウンドシステムもこだわって、今までの代々木体育館ではありえない、しっかりとベースヘビーな感じになったと思います。オーディエンスには少しでもそういった体験をしてもらい、「週末はクラブに遊びに行きたい」と思う人を増やせればなぁっと思いながら作りました。実際どれくらいの人たちがそう感じてくれたかはわかりませんが、すごい盛り上がりでした!2万人という大勢の人の前でライブすることはそうめったにないんで、非常に貴重な体験になったと思います。


■ m-flo の活動とは別に、ソロアーティストとしてもプロデューサーとして、リミクサーとして多様なお仕事をされていますが、m-flo とは別にソロ活動としてどのような事をされていますか?

DJ とリミックスを主にやっています。去年は Calvin Harris と Lady Sovreign のリミックスを作ったんだけど、Lady Sov のほうは本人もすごく気に入ってくれて、ヨーロッパのダンスミュージック専門番組でも結構流れたりしました。まだまだですが、少しずつ、ヨーロッパのほうでも結果が出てきていると思います。今年は自分のソロ作品も量産していきたいです。

自分の名前の後に"(m-flo)"をいれてなかったのは、フラットにやっていきたかったから。m-flo でやってきたことを否定してたわけではなく、単純に裸で戦いたかったんです。日本のダンスミュージックに貢献したいという気持ちは m-flo もベクトルは一緒なんだけど、ソロのスタイルは全く違うものになってると思います。よかったら僕の MySpace をチェックしてください。


■ ご自身が主催するパーティー『TACHYTELIC』を Club Air でレギュラー開催されていますが、このパーティーのコンセプト、パーティーの雰囲気などを教えて頂けますか?



コンセプトはなんとなくなんですが、自分が好きな DJ、尊敬する DJ、旬な香りがする DJ などを毎回ゲストに迎えて、キバらずに楽しめる空間を作っていくパーティです。始めた当初は良くも悪くもアーティスト色が強かったんですが、最近はよりパーティとしてのキャラクテリスティックが強くなって、そのイベントのお客さんが増えてきたと思います。人それぞれの価値観があると思うんだけど、パーティの敷居をあげずにカジュアルに楽しめる。そして、中身が濃いのが大事なんじゃないかなと思っています。

流れる音楽はハウスやエレクトロと呼ばれてる物が中心ですが、元々ジャンルでくくるのは嫌いだったんで、ゲストはいろいろな方に参加してもらっています。Calvin Harris などのビッグネームだったり、Congorock などの旬なアーティストを呼んだりと日本以外の DJ たちにも参加してもらっています。


■ 今回のインタビューでもっともお聞きしたかったのが、新たにスタートされたウェブラジオ『TCY RADIO TOKYO』についてお聞かせ下さい。ウェブラジオという試みをやってみようと思ったのはなぜですか? どのような経緯でスタートされたのでしょうか?


単純に、そういった番組が日本では極めて少ないからです。残念なことに、今の日本はダンスミュージックが流れたり情報を得る場所がどんどん少なくなってきています。一方海外のラジオは国営放送で8時間ぶっつづけで Dance Music Marathon をやっていたりしている。日本にもこういったものが必要だと思います。

面白い新人や新しいスタイルなど、海外はめまぐるしく変化していってるのに、なかなかそういったサウンドがリスナーに届きづらい。そして日本からも面白い作品が出てきたとしても、披露する場所が無い。日本人が自分の国ではなく、海外からが初お披露目だったらなんか本末転倒じゃないですか?ラジオを聴いて、どんな曲を買えばいいか参考にしてくれるのも嬉しいし、単純に平日もクラブへ行った気分になりたい人たちも楽しんでもらうようにも工夫しています。

あと、ダンスミュージックシーンはちょっとした危機に直面していると思います。クラブ人口の減少、専門雑誌の休刊、レコードセールスダウン と、リストしたらいっぱい出てきちゃうんだけど、真剣に向き合っていかないといけないタイミングに来ている。僕らが好きなことを広げるには、TV やラジオ、雑誌、箱、お店、そしてレコード会社が今こそ一丸となって協力しあわなきゃいけないんだと思っています。

そしてこの音楽が「好き」な人たちは絶対にいるんだから、しっかりとユーザが集まれる場所を僕らが提示していかないといけないと思うんです。みんなそれぞれ面白いことはやっているんだけど、全部「離島」だったり「点」になっていて、ちゃんとつながっていない。しっかりとそれぞれのメディアがリンクしあって、ユーザがハシゴしやすい環境を作っていかないといけないんだと思っています。今はまだ試験段階でやっているんだけど、年内に色々とインフラもしっかりしていき本オープンできればなと。その際は CYBERJAPAN しかり、iFlyer や Clubberia などと一緒にリンクしあいながらできたらなぁって希望をもちながら構想をねっています。


■ 『TCY RADIO TOKYO』のウィークリープログラムを見ると、音楽コンセプトはエレクトロ・ミュージックを紹介するスタイルの様ですが、アーティストセレクションはどのように決められたのですか?

「エレクトロ」、というより「エレクトロニックな音楽」が確かに多いかもしれません。かかる音楽ジャンルはHouse、Techno はもちろんのこと、Drum&Bass や Dubstep などの最新モードな物を紹介していってます。大事にしているコンセプトはやはり現場感。今までダンスミュージック番組は何個かあったけど、現場のフィーリングが入っている物は極めて少ない。なので、今の現場の感覚やムードを出すようにしています。それは僕ひとりができる事ではないので、さまざまな現場のDJたちの力をお借りして、ゲスト出演してもらっています。ラジオを聴いてクラブに行きたいなという気分にさせないと意味がないですから。

音源はアーティストから直に送ってもらったり、プロモをもらったりしています。ちなみに現在、新譜を紹介していく"EKLEKTRIK"、ゲスト D Jのミックスをオンエアする"TJO"、そして Dubstep や UK ゲットーサウンドを紹介する Powda の"Stepp Aside!!!"、と3つ番組があります。

EKLEKTRIK は4つ打ちものだけでなく、D&B、Dubstep、そして時には Hiphop も。リリース前のエクスクルーシヴや新曲を紹介していってます。リリースされている物は、「ここで買えるよー」って紹介したりもしています。コンセプトは鮮度が高いものをいっぱい紹介していく。あと、エクスクルーシヴインタビューもやっています。僕ら的には有名でも、日本ではなかなかとりあげられないDJたちって結構いるじゃないですか?去年はそういったDJたちのインタビューをいっぱいやらせてもらいました。


■ このプロジェクトと共に、レコードレーベルの立ち上げ等の別プロジェクトも考えていらっしゃるのですか?

TCY Recordings というレーベルを始めました。若手を中心にリリースしていてまずは日本から3人リリースしました。Hoshina Anniversary, Teddyloid, Booty Bronx という素晴らしい才能を持ったアーティストたちの曲が現在wasabeatでリリースしています。次のリリースタイミングで beatport からも発売されるんですが、フランスの "La Tourette" という大型新人のリリースが決定しています。

たまたま名前が一緒なんですが、ラジオとレーベルは全く違う存在になっていきます。ラジオが本格始動した時には名前が変わる可能性が「大」です。


■ ところで、イベントの話に戻るのですが、一昨年の CYBERJAPAN BIKINI NIGHT で DJ 出演して頂きましたが、初の BIKINI NIGHT でのビキニのダンサーに囲まれてのプレイはいかがでしたか!?(笑)


きれいな女性に囲まれるのは好きですし、健全なことだと思います(笑)。ただ「意外」と言われることが多いんですが、僕は結構シャイなもんでどちらかと言うと、目の置き場をどうすればいいのか困っちゃうタイプなんです 。でも、男性にとっても女性にとってもクラブは華やかであるべきだと思うんです。そういった所で BIKINI NIGHT のコンセプトはとても華やかで素晴らしい。


■ 真面目な話に戻りましょう…(笑)。多くの外国のクラブマガジンのエディターが、今までの Electro オンリーという音楽よりさらにクロスオーバーした音楽…例えば、Hip-Hop, R&B と House, Electro の融合などがより顕著になって来るのでは?と予想しています。例えば、David Guetta が昨年のアルバム『One Love』で実現したような違ったジャンルのアーティストとのコラボレーションのような形ですが…。Taku さん自身は2010年はどの様な音楽傾向にあると思いますか?

たしかに、前より R&B シンガーやラッパーとのコラボが増えてきてますよね。最近だと KELIS と Guetta がコラボしたってニュースも出ていましたが、やはりそれの功労者は彼だったと思います。そういった物は今年さらに増えていくかもしれませんね。"EKLEKTRIK" の年始特集で多くのDJたちに参加してもらい今年を占ってもらったんですが、多くの答えが「ハウスの原点回帰」でした。僕個人はブルータルでハードなエレクトロから、より繊細で音数が少ないものが好きになってきています。


■ では最後に… 2010年の Taku Takahashi のプロジェクト、活動、イベントなどどういった年になるでしょうか!?

去年はいろいろな物の準備だったり勉強の年にしていました。今年はそういった物を消化してしっかりと形にしていきたいと思っています。


TAKU TAKAHASHI


プロデューサー、DJ、音楽家。
m-flo での活動の他、Crystal Kay 等への楽曲提供や、プロデュースも盛んに行なっている。また国内アーティストの作品はもちろん海外アーティストの楽曲の Remix も積極的に行っており、各方面で高い評価を得ている。
現在は自身のソロ作品の楽曲制作も行っており、m-flo の音楽性とは違った一面を見る事が出来る。DJ では数々のイベントにゲストとして招かれ、精力的に活動の場を広げており、自身でもレギュラーイベント「Tachytelic」、「orthosync」を開催。

http://www.myspace.com/takutakahashi
http://www.myspace.com/tcyradiotokyo

2010.02.01
テーマ:DJインタビュー
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